市バス2008/12/27

 尼崎市バスの運行を阪急バスに委託しようという計画が挫折した。  
 公営交通がバスの運行を民間に委託するには労働組合の同意が要るのだそうで、市バスの労働組合が、同意しないことを決めたためだそうだ。

 労働組合にしてみれば運行が民間に委託されることで、余剰人員が出て、希望退職などが募られることに不安があったのだろう。

 しかし、第三者である委託先の阪急バスに対して約束を果たせなくなったことについての責任は、交通局と共に労働組合にもある。なぜなら労働組合の執行部は当初、「最終的にはこの同意をする」と約束していたのだから。
 交通局としては、この約束があったので、委託先を募集し阪急バスを選んでいた。組合はそれをひっくり返した形になる。
 
 さて、今回の件は交通局にとっては大失態だが、尼崎市バスの将来という面から見ると、これもひとつのチャンスになるはず。

 近年市バスは大変な赤字になっていた。何よりも乗客減が原因だが、直営の運行経費が高いことも原因となっている。
この赤字を改善するために、民間委託による合理化をしようとしたのだが、それが頓挫してしまった。
 
 労働組合は今のバスの運転手さんたちの雇用を守りたい一心でこの同意を拒否したのだろう。交通局側が将来、今回示した以上の余剰人員への対策を示せるようになるとは思えないから民間会社に委託する道は閉ざされたことになる。

 市バスの経費節減をしようとすると人件費を節減するしかない。民間会社への委託も民間の安い人件費に狙いはあった。その民間委託を選べないのなら、交通局の人件費を減らすしかないのではないか。

 交通局の運転手の首を切るのではなく、「給料を下げてでも、みんなでやっていく」という道をとることは不可能ではないはずだ。民間のバスの運転手の水準で働くならば民間委託と同様の経済効果が出るし、誰も職を失わなくて済む。
 
交通局にその提案をする根性はあるのだろうか。労働組合にそれを受け入れる力はあるのだろうか。

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