領土問題で熱くならないために2012/10/11

 中国で反日デモが暴徒化し、行事が中止され、観光客が減るなど日中関係に暗雲が漂っています。竹島問題で韓国とも軋轢が深まっています。北方領土でもロシアの大統領がわざわざ訪問したりして刺激的なことです。日本ではこの領土問題が、比較的冷静に受け止められているようで、何より結構なことです。しかし、強硬な意見も次第に頭をもたげてくるようで不安なことです。

 外交問題、特に領土問題はお互いに熱くなってしまうと、とんでもない火傷を負うことになります。
 国境問題、領土紛争は世界中のあちこちにありますし、領土紛争を抱えていない国の方が珍しいくらいです。ヨーロッパなどでは長くもめた挙句、そこは独立国とすることで落ち着いている例もあります。解決方法も色々です。

 昔は陸地から3海里しか領海はなかったのです。いつの間にか12海里になり、今では排他的経済水域などと言って200海里にまで支配を広げようとするようになりました。
 海の底の資源まで採掘できるようになったから、こんな主張がでてくるのです。竹島も、尖閣諸島も、お互いが本当に欲しいのは、島そのものではなくて、周りの海の資源なのです。海洋資源は共同管理、という事にすれば、島々をめぐる領土紛争の大半は解決可能なのではないでしょうか?

 南極大陸は、どこの国も領有を主張しない事になっています。科学者がリードして大変な交渉と議論を経てのことだそうですが。
 ほんの少し昔までは国境も領海も、もっといい加減で、そこに住む人々の共有のものだったのです。その少し前には存在さえしなかったのです。