4年前に書いたこと2013/01/05

 自らの市議5期目を振り返ろうと文書を繰っていたら、2009年に5期目に向けて書いた自分の問題意識に出くわしました。
 いまだに解決していない問題ですので5期目の振り返りの出発点にしたいと思います。 

2009年1月頃の文章です。

 大きな支持を受けた二期目の白井市政のもとで、私は市の行財政改革の課題として二つの問題を取り上げました。

 まず、民間委託のあり方です
 市の仕事の民間委託が進む中で、民間にしてもらう仕事の「質」はどうなるのでしょうか。 民間委託にはもちろん経費を安く上げる目的があるのですが、安さだけを追求するあまりその仕事の中身にさし障りが出るようなことがあってはなりません。
 それを防ぐ仕組みの一つとして、私たちは「公契約条例」を議員提案しました。これは、市の仕事を民間委託する場合、その仕事に就く労働者の賃金が一定以下にならないような契約を結ぶことを市長に義務付ける条例です。賃金を保障することで仕事の質を維持する狙いです。
 この条例の基礎には総合評価入札制度の考えがあります。これは入札をするときに、価格だけではなく仕事の質や、環境や人権への配慮なども評価して発注業者を選ぶ仕組みです。これまでにも、たとえば学校給食調理のように、費用の安さだけでなく仕事の中身も大事な仕事では、「プロポーザル」などと言って価格競争入札ではない方法をとってきました。しかしそれはちゃんとした仕組みにはなっておらず、担当の職員の裁量に任されていたのです。
 しかし、それでは透明性公平性に問題があります。かといって透明性公平性を保障しようとすると一番はっきりする価格競争入札になってしまう、というジレンマに陥ります。そのジレンマを解消するために、仕事の質への評価も取り入れた総合評価入札や公契約条例という「新しい民間委託の仕組み」を作ろうとしているのです。

 次に、職員の人件費の問題です
 市はこれまでは、主に職員の数を減らすことで人件費を削減してきました。
 しかし、完全に人員減になるのではなく、その穴埋めに嘱託や臨時の非正規職員を雇ってきたのです。これらの非正規職員の給料は正規職員の4分の1から3分の1。
 両方をならして総人件費を抑えようというわけです。
 ところがそれでは、「同じ仕事をしながら給料がうんと違う」という矛盾が出てきます。
 他方で正規職員の間では、「どんな種類の仕事をしていてもほとんど同じ給料」という、民間では信じられないような制度がそのままになっています。
 職員の給料を、同種の仕事の民間給与にあわせて仕事の種類ごとに変えれば、仕事の種類によっては人件費が下がります。そうすれば、雇い方(正規、非正規)による差別無く、同じ仕事には同じ給料を払って、しかも全体の人件費を抑えることができます。

そして 、このような私の意見に
   関係する問題が次々と起こりました。

●市立弥生が丘斎場の委託業者が指名停止ではずれる。すると接遇で評判のよかった従業員も一緒にいなくなってしまう。

●住民票データ入力業務の偽装請負問題。ストライキにまでなりました。

●全小学校の給食調理を民間委託。給食の質の保障は?

●保育所の民間移管。最終的には公立を九園まで減らす。公立、民間の役割分担はどうなる?民間移管への保護者の強い反対で裁判になってしまった。

●卸売市場のごみ処理の入札で職員が特定業者の入札を有利になるようにした不正。どうも市職員の動機は「よい仕事をする業者と契約したい」という事だったらしい。


 次々と起こるこれらの問題に取り組んでいるうちに、問題は予想以上に大きいことに気づきました。
 正規職員は身分も賃金も一定守られる。経費の節減は非正規や民間の労働者に押し付ける。
 普通なら良心がとがめるだろうと思えるこの不公平に、市役所では、管理職も職員組合も、ともに鈍感なのです。私はこれを「市役所ご一家」意識と呼んでいます。
 財政難で市民に負担や我慢を求めるならば、同時に市役所のこの風土、体質を改めなければ市民は納得しないでしょう。

 この課題は、まだあまり広くは理解されておらず、しかも職員の皆さんに受けは良くないかも知れません。
 
 しかし、市役所改革のためには避けて通れません。

 私は引き下がるつもりはありません。しがらみのない議員が、同じくしがらみのない市長のもとでしかできない仕事だ、と思い定めて闘う覚悟です。

今年初めてのブログでした2013/01/05

 明けましておめでとうございます。さっきの文書を上げてから新年だということに気づきました。

 昨年暮れの衆議院選挙の後では、あまり「おめでとう」という心境にはなれないのですが・・・。

 総じて脱原発の世論は行き場を失ってしまいました。

 みどりの党が脱原発の世論の受け皿として登場出来なかったことが何より悔やまれます。

 さて今年は私にとって幾度目かの節目の年です。順に5期目を振り返りながら、次への思いを築いていきたい塗思います。よろしくお願いします。