4・28沖縄デ―? 主権回復の日?2013/05/07

 4・28は、私たち学生運動世代にとっては「沖縄デ―」でした。
 その「沖縄の日」が、安倍政権によって日本の「主権回復の日」に意味づけられました。
 これはとんでもない歴史に対する冒涜です。

 1950年4月28日は、サンフランシスコ条約の発効により、日本が敗戦後の占領から独立した、その陰で沖縄がその後長く続くアメリカ軍政下に置かれることが確定した日です。
 私たちの国は、戦争で負けましたが、沖縄という領土を割譲したのではありません。それは第二次大戦の連合国(特にアメリカ)が掲げた正義に反します。
「領土の争奪のために戦うのではない、民主主義と反植民地主義のために闘うのだ」というわけです。
 だから沖縄の「割譲」はとても「姑息」な手段で行われました。
 「領土を奪うのではない(つまり、アメリカの領土にするのではない)が米軍の軍政下に置く」
 そうすると、沖縄はアメリカでもなく日本でもないことになる。そのことによって、アメリカは、本国ならば住民との関係で到底許されない過酷な条件で軍事基地を維持することができる。
 他方、日本本土にとっては、本来押し付けられるべき軍事基地負担のほとんどを沖縄に押し付けて口を拭うことができる。
 これこそ、昭和天皇がいみじくも言ったように「沖縄を売り渡してすむのならば・・」であったのです。

 それだけの歴史を背負ったこの日を、「主権快復よかったね」と単純に祝う気にはとてもなれません。
 ましてや、その日に、「沖縄はこれからも売り渡され、犠牲になり続けるのか!」との抗議のデモに起ちあがった人たちに「売国奴」「日本から出ていけ」などの罵省を浴びせる人たちの存在を信じたくありません。

 「売国奴」? 売られたのは沖縄ですよ。売ったのは誰ですか?
 「日本から出ていけ」? 沖縄では「日本復帰に託した基地縮小の夢がこれほど卑劣に破られては独立しかない」という議論もあると聞きます。その議論の前には、私たちは頭を垂れるしかないでしょう。どの口で「じゃあ出ていけ」と言えるのでしょう?

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