トランプショック2016/11/14

 トランプさんという、排外主義・差別主義を隠そうとしない煽動家がアメリカの大統領になります。
「びっくりした」というのが本音です。今の世の中では「どんなことでも起きる」ということでしょうか。
 旧来の支配層の代表クリントンさんと極右のトランプさん・・・。どちらもそんなにうれしいわけではないが、「そうはいってもアメリカはこれまで通りの道の踏襲を選ぶだろう」と私は思っていました。

 人権や民主主義、平等、などの価値観が、選挙でこれほどあからさまに踏みにじられるとは・・。
トランプさんに、社会を小康状態にでも保たせる力があるとは思えません。アメリカ社会は右傾化すると同時に、ぐずぐずと統合が崩れ始めるのでしょう。

 しかし、よく考えてみると、これはアメリカだけで起きていることではありません。
 私たちは日本でも同じ事態を経験したのではないですか。ここ数年の国会議員選挙。東京、大阪の知事や市長の選挙・・。
 むき出しの排外主義、稚拙な「正義のようなもの」、罵詈雑言。日本でもこのようなものが公然とのさばりだして久しいのです。
 数年前、自民党が再び政権に就いた時、アメリカの「ニューズウィーク」は「Japan turns right」(「日本、右旋回」)と表紙の見出しにうちました。今度、その雑誌はどんな表紙を作るのでしょうか。日本で数年前から起きていることがアメリカでも公然化したということに過ぎないのかもしれません。
 だとすれば、アメリカの若者たちが「彼は私たちの大統領ではない」とデモをしていることも肯けます。これまでのアメリカ大統領選挙は、まがりなりにも「終わったらノーサイド」でした。しかし今回はそういう民主主義は壊された、ということが前提になっているのでしょう。
 日本でも安倍政権の集団的自衛権に反対した若者たちのスローガンが「国民なめるな」「民主主義ってなんだ?」
 それでは私たちは、日本では今も進行し、アメリカで公然化した排外主義と差別主義の流れに、どう抗して行くのか。正念場がやってきます。