「原発事故対策にヨウ素剤の準備を」質問しました2016/12/10

①②・・・が質問です

2016年12月議会一般質問 
                            緑のかけはし 酒井 一
            原子力防災計画について

 地域防災計画の中の原子力防災について、中でも最も大切な被曝防護に重点を置いて質問します。
 被曝防護には避難、屋内退避、飲食物対策など様々な措置があります。

1 避難

まず避難について伺います。避難には他都市からの避難住民の受け入れと、尼崎市民が市外に避難することの両面があります。

避難の受け入れについては、本市の地域防災計画の原子力災害に関する記述では、福井県に立地する原子力施設の事故を想定して、 [第4章第3節大規模事故等の災害応急対策6応急対策を実施する(5)原子力災害対策]の中に「関西広域連合がマッチングした対象市の避難住民を受け入れる。」としてあります。そこで伺います。
 ① マッチングはあらかじめ行われているのですか? とすればどの市町ですか?
 尼崎市の受け入れ対象の人数は? その上限は? 尼崎市ではどの施設に受け入れるのですか?

以降の質問は一問一答で行います。

一問一答

 (実現可能性について論評あればする)
次に、尼崎市民の市外への避難について伺います。
 ② 原子力防災に関して、このように避難受け入れについての記述はありますが、尼崎市民の市外への避難についての記述は無いように思います。無くてよいのですか?

(答弁)「国の指針で尼崎には避難計画の必要がない」

確かに、「原子力災害対策」の章の中には、「応急活動」の項に「避難及び状況調査」という項目があるので、避難についての記述があるのかと思いきや、防護措置として「屋内退避と飲食物の摂取制限」さらに水道水の摂取制限があげられているだけです。それ以外には「避難」という言葉は「避難の受け入れ」として使われているだけで、尼崎市民の避難のヒの字もありません。

 お尋ねします。
③ 原子力災害時の尼崎市民の避難ということについては「想定しない」というのが、現行地域防災計画の原子力防災についての尼崎市の考え方だということがわかりました。しかし、これからもそれでいいと考えているのですか? 福島原発事故において、国の5km圏、10km圏の考えが全く役に立たなかったことを想起すべきです。国の指針丸呑みでいいのでしょうか?「45万人の避難は考えられない。だからそんな想定はしない。起きないことにする」福島原発事故の事故調査委員会の報告が連想されます。「  」
お考えをお聞かせください?

 被曝対策
原子力災害時の尼崎市民の市外への避難は考えない。屋内避難だけで対応する。その考え自体に大きな異議を申し立てたいのですが、いずれにしても被曝防護の手段は可能な限り、つくされなければなりません。

そこで、続いて内部被曝の防護手段としての安定ヨウ素剤の準備について伺っていきます。現在の尼崎市地域防災計画の原子力災害対策では安定ヨウ素剤の使用にはふれられていません。
 安定ヨウ素剤とは何か。原子力事故の際に放出される放射性物質のひとつにヨウ素131があります。これは自然界に存在するヨウ素127の放射性同位元素で放射能があります。体内に取り込まれると甲状腺に集まって甲状腺がんの原因となります。特に甲状腺の発育が盛んな子どもたちに危険だといわれます。
安定ヨウ素剤は服用することで体内のヨウ素を飽和状態にして、後から入ってくる放射性ヨウ素131の吸収を妨げようとするものです。放射性ヨウ素の半減期は8日と短いので一定期間服用すれば効果はあるとされています。
 チェルノブイリ原発事故後に子どもたちに甲状腺がんが多発したこと。福島原発事故の後でも甲状腺がんの多発が報告されていることなどから、原発事故後の被曝防護の手段として推奨されています。
 
安定ヨウ素剤の扱いについて、国の「原子力災害対策指針」では、PAZ(5km圏)では事前配布。UPZ(30km圏)では備蓄と指示されています。
 兵庫県の地域防災計画は今年の見直しで安定ヨウ素剤の準備を見送りました。
 他方で、篠山市は30km圏外であるが安定ヨウ素剤の事前配布を決め、実施しています。

兵庫県防災会議 原子力防災計画専門委員会の議事録から兵庫県が見送った理由(□印)と思われるものを順次拾って尼崎市の見解を質して行きます。  

□ 「ヨウ素剤は副作用などのリスクがある」
④ 篠山市の見解によると、「副作用は少ない。間違って飲んでも過剰なヨウ素は排出される」とのこと。尼崎市は副作用のリスクについてどう考えますか。

□ 「服用のタイミングを決めるのが難しい」
⑤ 篠山市では、事故の際の服用は市から指示するが、指示伝達困難な場合、市民の自主判断もありうる、としている。尼崎市としてはどう考えますか?
 
□ 「放射性ヨウ素にしか効力がない」
⑥ 誰も放射能に対して安定ヨウ素剤が万能だとは言っていない。放射性ヨウ素に対して効果があることは間違いないと思うのですが、どうですか?

□ 「飲んでおけば何とかなるという印象になる」「もっとも優先されるべきは『被曝の低減や汚染の回避』 マスクも防護手段の一つ」と県の委員会では述べられている
⑦ 屋内退避やマスクと安定ヨウ素剤は両立する対策です。「リスクを見るのは最大限、対策は可能なすべて」 これがリスク管理の肝(要諦)です。どうお考えですか?

□ 「兵庫県下で飲むべき可能性が低い」
⑧ 原発事故が起きる可能性は確かに低い。しかし万一起きたとき、放射性物質は風に乗って遠くまで飛び、雨や雪が降った場所に大量に地面に落ちます。福島事故での避難指示地域が30から40キロにとどまったのは、運がよかったに過ぎません。兵庫県が行った原発事故の放射能飛散のシュミレーションでは、尼崎市でも、ヨウ素剤服用水準である甲状腺等価線量50mSvを越えるケースがあるのです。それに対処する計画は必要なのではないでしょうか?どう思いますか?

□ 「飲んで効く人が限定的」
⑨(時間の都合で割愛あり) 放射性ヨウ素への対策として安定ヨウ素剤が効く人が少ないという話は聞いたことがありません。ご見解はいかがですか?

(質問しない)安定ヨウ素剤配布を否定する理由は経済性しかないかと思えるが、
 篠山市では、配布対象42000人 配布率27%で決算額535万円(配布事務費(医師看護師の人件費など)を含む
配布率100%で単純に計算すると総額1980万円程度かと思われます。
  薬そのものは1000錠=5050円(税抜き)3歳-13歳未満1錠 13歳以上2錠。
  尼崎45万人分、全員に2錠としても450万円。安い。配布の事務に人件費はかかりますが、費用面で大きな問題はないと考えられます。

⑩ 効果の面からも、リスクの面からも、費用の面からも安定ヨウ素剤の準備は意味があると考えます。原発事故が起こってから取り寄せる、では間に会わないのです。ヨウ素剤準備を検討してはどうですか?

 繰り返します。災害に対する救助、防災活動の主導権は自治体にあります。それに対して原子力災害についてだけ、国がその主導権をとる仕組みになっているようです。
しかし、福島原発事故における救助、防災の失敗、さらに東海村のJCO臨界事故の際に県も国も動かぬ段階でいち早く住民に避難指示を出したのは当時の東海村の町長であったこと、などを見れば、災害対策に求められるのは国の指導よりは自治体の自主性だということは明らかです。
兵庫県も、国に言われたわけでもないのに、「兵庫県内の放射能飛散のシュミレーションを行ったのは、30キロ件の外にも汚染が広がる場合の対策が必要であることを国に訴えるためだと言っています。
防災対策というものは「最悪を想定して、最善を尽くす」でなくてはなりません。そのことを強く申し上げて質問を終わります。

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