民間保育園の土地代2017/01/31

えっ、保育園から土地代を取るの?

 尼崎市はこのたび、民間法人の保育園などに無料で貸していた土地について、地代を取ると言い出しました。
 対象になるのは、民間の保育園、特別養護老人ホーム、障害者施設などです。

 社会福祉法人がやっているのは本来市がやるべき福祉事業です。特に保育所などは市立保育所を民間の法人に引き受けてもらうときに、地代無料を条件にしてお願いしたのです。いかに半額とはいえ「地代をよこせ」とはどの口で言えるのでしょうか? 
 それも、「いきなり」です。1月半ばに議会に報告して、2月には制度として決めると言います。決めてしまえば、役所はあとには引きません。緩和措置などをするにしても、最終的には地代を取ることになります。

地代は保育士の給料を削って払う?

 社会福祉法人は、もともと儲けを出してはいけません。新たな支出となる地代をどこからひねり出すのでしょうか。
 例えば、保育園の場合、保育料は市が集めます。園には別に決まった額の費用が市から支給されるのです。地代の支出が増えたからといってその分が増えるわけではありません。
 いきおい、他の支出を削らなければなりません。人件費にも影響しかねません。「保育士の給料をあげなくてはいけない」といわれている最中に、です。

 そもそも、保育所などに無料で土地を貸すことは、市の政策を進めるためではないのでしょうか。現に、市役所の中でも、保育や高齢者、障害者を担当している部署からは反対の声があると聞きます。これは市の財産を管理する部署の「土地を貸すなら地代は当然」という一面的な理屈がまかり通ったとしか思えません。

 市民の福祉の推進のために、政策的に考えなくてはいけないことが、地主の論理に牛耳られてしまっていいのでしょうか?

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