丸尾さんのこと 酒井ニュースから2019/03/11

 丸尾県議のこと

 丸尾さんと私は、カラ出張事件でスタートした市議会議員生活を最初からともにして、議会改革に力を尽くした「同志」と言ってもいい仲です。
 彼は、今も変わりませんが、とても実直で根気強い性格です。そしてあの「正義感」。この二つを合わせると、公金の無駄づかいをしている役人や政治家にとっては鬼より怖い存在になります。

 ある日、市議会の議員室で机を並べていた私に、丸尾さんが「ちょっとこれを見て」と書類の束をよこしました。見ると市役所の「支出命令書」という書類の束です。市役所が公金で支払いをする場合全て、一件一件必ずこの書類が作られます。
 その束のあまりの分厚さに辟易した私は、書類を見ようともせずに、無精にも「何をみつけたの」と聞きました。
 丸尾君は私の失礼に怒りもせず、「99800円の金額の支出命令が何十枚と続いているんですよ」「それもボールペンなどの文房具ばかり」と教えてれました。

 阪神大震災の復興で築地の再開を担当している部署の支出でした。99800円という金額には市役所のことを知っている人には思い当たることがあるのです。
 というのは、市役所の買い物は、10万円未満ならば「随意契約」と言って入札などをせずに現場の部署で自由に買うことができるのです。
 同じ文房具を買うのにわざわざ99800円に分割するのは入札を避けるためとしか思えません。これはあやしい・・・。

 当時、大問題になった「高級ボールペン、文房具架空購入事件」の始まりです。
 丸尾さんは、公文書公開で得た膨大な書類の中からこれを見つけ出したのです。その根気と不正を許さない気迫には舌をまきます。味方なら頼もしいけど・・・。正義感満載ですから不正があれば友達でも許されないでしょう。
 いまどきこんな「月光仮面」みたいな若者がいるのだ・・・。
 
 県議会に行ってからも彼は変わりません。県議会にはピリピリと緊張が走り、多くの無駄づかいや、利権が正されました。
 
 丸尾さんについて「市民から頼りにされる議員は、行政や悪徳政治家からは最も嫌われる」と先輩の議員が言いましたが、本当にその通りだと思います。
 市議出発当時28歳だった若者が50歳を超えて円塾はしましたが、鋭い正義感は衰えません。鋭い剃刀が肉厚の日本刀になった、という感じです。
 
 これからも活躍に期待したいものです。

丸尾県議のインタビュー2019/03/11

どんな社会を目指している?

 八百屋、市議の時から変わらないのですが、環境問題が入り口で、次の世代の人たちにより良い社会を手渡したいと思っています。福祉、教育、財政などを含め、皆が安心して暮らしていける社会、皆が幸せと感じる社会を目指しています。

兵庫県政の課題は?

 人口減少社会に突入したにもかかわらず、地方での高速(高規格)道路建設や、県政資料館を含めた初代県庁復元(約28億円)を進めるなど公共事業依存体質がまだまだ残っています。国から県政発行にブレーキをかけられないために、財政指標を操作しているのもびっくりです。議会改革はかなり前に進んだ(2015年早稲田マニフェスト研究所議会改革度評価第1位)のですが、市民が県議会に請願をした時に、常任委員会で説明が出来なかったり、議会報告会が開催されておらず、市民の声を聞きながら議会運営をしていく姿勢が、まだ弱いと感じています。

県議会の中で無所属議員として力を発揮できるのか?

 酒井さんと同じく緑の党に所属しているが議会の会派は無所属。組織が大きいので直球を投げてもビクともしない政策もたくさんありますが、情報公開請求などの制度も活用し、データをしっかり調べ提案すれば、意外とすんなり制度改善に繋がることもあります。マスコミに書いてもらうことで、制度が大きく動いていく場合もあります。学校給食の異物混入については、マスコミに書いてもらい、マニュアル作りや公表のあり方など制度が大きく動いていきました。市民と連携し、議会に請願を出したり、住民監査請求、住民訴訟などを行うこともあります。何より、県政の課題を「ほうれん草通信」で丁寧に伝えていくことが大事だと考えています。

政務活動費問題のこぼれ話は?

 事件当時、古参議員の政務活動費の支出はチェックしていたのですが、野々村元県議はとても真面目に見え、ノーマークでした。慌てて、野々村さんの政活費支出をチェックし、カラクリを明らかにしていくと共に、他の議員の疑問に思える支出を次々と公表しました。その結果、議会改革が大きく前に進みました。