諫言を聞かないトップ?2021/09/03

大阪のある校長先生が訓告処分を受けたそうです。
 
 大阪市長 松井一郎さんあての提言書を出したことがとがめられたといいます。
提言書の題名は「豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために」。
内容は、「競争主義」、「全国一斉学力テスト」、「点数主義」「GIGAスクール構想」などを批判し、その主義の下での「教員への過度の負担」を指摘し、「生き抜く」世の中ではなく「生き合う」世の中を目指す教育を求める、という意見としてはごくまっとうな、おそらく現場の先生方が日々不満とし、また目標としていると思われるようなことどもが書き連ねられている、内容への賛否はともかく、意見としてちゃんと成り立っており、まっとうに取り扱われるべき提言だと思いました。

私は、今ここで、提言への賛否、今の教育政策への賛否を問題にするのではありません。
内容への賛否はともかく、ごくまっとうに述べられた「現場責任者としての提言」を提出したことに対して「処分」をもって応える松井大阪市長の「支配者の横暴」としか言いようのない対応が問題なのです。

実は、このニュースを見て、最初に浮かんだ言葉は「時代錯誤」でした。戦前の特高警察を彷彿させる、批判的言論への弾圧だと思ったのです。
しかし、よく考えると、もっとひどい話で、どんな時代でも、優れた王や殿様は、部下の諫言や苦言をよく要れたものです。
松井さんはこれとも逆に、苦言や諫言に対して死刑をもって報いた暴君と同じ姿勢だったのです。現代に引き写して、組織の長として考えても、部下の苦言に処分をもって応じるようでは、失格と言わねばなりません。

教育委員会も組織の長の、このような暴走を止められなかったのですね。

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