「映画案内」?間違いありません。「映画案内」です2022/01/17

  「ボストン市庁舎」、見てきました。
 こう書くと「酒井はアメリカに行ってきたのか」と勘違いした人がいたようですが、そうではありません。すごい映画を見てきたのです。日本で。
 
 自治体や福祉に関わる人必見です。
暮らしを良くし、人権を守るために努力を共にする職員と市民の姿を縦糸に、その努力の「良きリーダー」として信頼を集めるウォルシュ市長が横糸で絡みます。
こう書くと、「政治宣伝か?」と、見る気を失う人が多いのでは、と心配になりますが、とにかく、ちょつとしたショックでした。
私が夢見てきた自治体の理想的な姿がこのボストン市庁舎のドキュメンタリーに切り取られていることに、そしてそれが私の知っている(尼崎などの)市役所の現実と、それほど「かけ離れていない」ことにやや興奮してしまいました。努力には希望があり、それぞれの努力はそれほどかけ離れたものではないのです。
繰り返します、必見です。

「戦争は女の顔をしていない」 怪しいでしょう? 書名です。2022/01/17

今度は本です。
  
 「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシェービチ 著。
 独ソ戦で、ソ連軍ではたくさんの女性兵士が、最前線で戦いました。
 その兵士たちのインタビュー集です。
 一人当たり、長くても文庫本2ページの語り。数百人の女性兵士が登場します。
 後方前線を問わず、飢え、泥まみれになり、虱だらけになり、同じ女性兵士の死を目の当たりにしながら戦った女性兵士の短い語りに、何を思えばいいのでしょうか。
 「ソ連の社会主義は、その教育は、『大祖国戦争』にあたって、15.6歳の女の子に前線勤務を熱望させるほどにまで成功していたのだ」という社会主義的感心は、「それはそうだろうけど、そのことは彼女たちの幸せとどういう関係があるのだ」という問いの前にもろくも崩れ去ります。
 
 これも私がとやかく評論するよりも、読んでいただいた上で、その人と議論したいと思います。
 戦争観が変わります。必読です。1400円と少し高いですが。