園和幼稚園廃園問題について2017/01/13

 園和幼稚園の廃園についての議案と、関連する請願に対しての昨年12月議会での私の対応について御説明します。

 今回提出された請願は、園和幼稚園について、
①耐震化工事を行うこと
②今年10月の園児募集の結果が定員に満たず、暫定園としての延長基準に達しなくても、廃園決定を1年見送り、耐震化工事の後、来年度の募集結果によって判断すること
を求めるものでした。

 この請願は、10月の園児募集の前に準備が始まりました。しかし、請願の提出は12月議会の直前となり、請願の準備を背景に教育委員会と園和幼稚園の廃園を延期するための議論をする機会は作れませんでした。暫定園の取り扱いは条例ではなく教育委員会の権限であるため、教育委員会との議論は必要でした。
結局、請願と同時に、廃園議案が提案され、同じ議会で審議されることになりました。廃園の議案は、それを可決すれば「廃園」となります。他方、否決すれば「存続」となります。端的に「廃園」か「存続」かが問われるのです。
 他方で、請願の第2項は、「決定の延期」を求めるもので、存続か廃止かを決める議案への賛否では表せない内容でした。

 私は「尼崎市幼稚園教育推進プログラム」(以下「プログラム」)に反対ではありませんでした。子どもの数が減っていき、その中でも幼稚園に対する需要は減少していく傾向の中で、この「プログラム」を実施することで、子育て支援の力をより効果的な分野に向けることは必要だと考えるからです。さらに、大庄、立花東、武庫北という他の暫定園が、反対の声もある中で基準どおり廃園が進められてきたことも考え合わせると、最後の園和幼稚園だけを存続(廃園の延期ではなく)することはできないと考えていました。
 そこでやむなく廃園議案に賛成したのです。廃園議案の可決によって、請願の第2項は自動的に「みなし不採択」となりました。

 私は会期中も、議案と請願の矛盾を回避し、「プログラム」の枠組みの中で請願の趣旨(廃園決定の延期)を生かすための方策をさまざま探りました。しかし、暫定園の処置は教育委員会の裁量であること、などの理由で方策が見出せずに終わりました。

 振り返ると、私は、このように廃園議案が提案された場合、これを否決すれば園和幼稚園の存続を決めることとなり、「プログラム」そのものの否定となることと、他方で、請願が「プログラム」を前提に、園和幼稚園の廃園決定を「延期」するように求めている事との間の矛盾が十分認識できていませんでした。その結果、請願者の皆さんの期待を裏切ることになった事について、お詫びします。議案の提出からの時間が短く、検討と議論に時間を費やさざるを得ず、請願者の皆さんへの御説明等がほぼできずに終わったことも申しわけありませんでした。

 なお、継続審査となっている第1項の「耐震化」については、「子どもたちの命を地震から守るための措置を」と強く教育委員会に求めていきます。


                                                   酒井 一

茨木市議選選挙ポスター貼りの応援2017/01/16

他の掲示板では10番目前後だったんですが。
 茨木市議選のポスター貼りの応援に行ってきました。
 朝、尼崎を出るときは晴れ。天気予報が大騒ぎしていた雪は、気配もありません。
 前日に茨木の選対から「車は冬タイヤを履いているか?」との問い合わせがあったので、雪の覚悟はしていたのですが、肩すかしを食ったような気持ちで出発。

 しかし、茨木市内では雪がちらつきだし、分担地域になった山手のほうに向かうころから雪は次第に激しくなり、進むにしたがって路面にも積雪が。私の車のスタッドレスタイヤは4年目の老朽品。果たして役に立つやら・・・。

 時によっては「吹雪」といえるような吹き降りの中、山道を「こんなところでお前と一緒に遭難するのはいやだ」という仲間の悲鳴を尻目に、「○○宅前のガードレール」(○○さんって知らんし!)というような、とてもローカル色豊かな掲示板の位置表示を頼りに、滑るタイヤをあやつります。

 奮闘の甲斐あって、他の候補者よりかなり早く貼れているようで、ある山の中の掲示板では、なんと一番乗りの「名誉」に輝きました。思わず記念写真。(写真では3枚貼ってありますが、3枚一緒に貼っているのです。)

 しかし、後から考えると、峠を越えたところの、何か出そうな古いお宮さんの前にあったあの掲示板は、他の候補者からは見捨てられていたのではないでしょうか。それとも悪いキツネに・・・?
 背景には、おそらく新名神高速のものであろう工事現場が広がってはいたのですが、あたりには人っ子一人見当たりませんでした。

民間保育園の土地代2017/01/31

えっ、保育園から土地代を取るの?

 尼崎市はこのたび、民間法人の保育園などに無料で貸していた土地について、地代を取ると言い出しました。
 対象になるのは、民間の保育園、特別養護老人ホーム、障害者施設などです。

 社会福祉法人がやっているのは本来市がやるべき福祉事業です。特に保育所などは市立保育所を民間の法人に引き受けてもらうときに、地代無料を条件にしてお願いしたのです。いかに半額とはいえ「地代をよこせ」とはどの口で言えるのでしょうか? 
 それも、「いきなり」です。1月半ばに議会に報告して、2月には制度として決めると言います。決めてしまえば、役所はあとには引きません。緩和措置などをするにしても、最終的には地代を取ることになります。

地代は保育士の給料を削って払う?

 社会福祉法人は、もともと儲けを出してはいけません。新たな支出となる地代をどこからひねり出すのでしょうか。
 例えば、保育園の場合、保育料は市が集めます。園には別に決まった額の費用が市から支給されるのです。地代の支出が増えたからといってその分が増えるわけではありません。
 いきおい、他の支出を削らなければなりません。人件費にも影響しかねません。「保育士の給料をあげなくてはいけない」といわれている最中に、です。

 そもそも、保育所などに無料で土地を貸すことは、市の政策を進めるためではないのでしょうか。現に、市役所の中でも、保育や高齢者、障害者を担当している部署からは反対の声があると聞きます。これは市の財産を管理する部署の「土地を貸すなら地代は当然」という一面的な理屈がまかり通ったとしか思えません。

 市民の福祉の推進のために、政策的に考えなくてはいけないことが、地主の論理に牛耳られてしまっていいのでしょうか?