がれき受け入れ問題 稲村市長の試み2012/05/24

 震災がれきの広域処理問題について、稲村尼崎市長は受け入れの可否について市民と共に考えるために、放射能汚染について一定の基準を示したうえで対話集会を開催した。

 市長は考えの出発点として一定の基準として、持ち込まれるがれきについても、焼却後の灰についても100Bq/Kgという値を示しました。
 この値はクリアランスレベルと言われ、福島原発事故以前、「原発に重大事故はない」とされていたころに、放射性廃棄物として扱うか否かの境となる値と国によって定められていたものです。

 つまり、この国は、事故以前には100Bq/Kg以上の放射能を帯びたものは放射性廃棄物として特別の管理をすることにしていたのです。

 今環境省が示している放射性廃棄物の基準は(福島原発事故関連に限っては)8000Bq/Kgまで緩められました。事故以前の実に80倍です。以前なら高濃度の放射性廃棄物となるものです。

 このような「放射性廃棄物」を自治体に「処理しろ」と言っているのです。

 野田総理や、大阪の橋下市長は、がれきの受け入れについて放射能汚染を心配する声に対して「国民性が問われる」「平和憲法に毒されている」などと「非国民キャンペーン」を彷彿させるような発言をしています。

 稲村市長の試みは、
 ① 被災地への支援と放射能汚染に対する市民の安全の間で自治体はどう結論を出すか。リスクのあることの実施を考えるにあたって市民と、どの様に一緒に考えるか。
 ② 国がとんでもなく緩い安全基準を押し付けてくることに対して市民の安全を守る自治体としてどういう考えを示すか
 
 という課題についての画期的な取り組みだと思います。

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